パパ・ユーアクレイジー (新潮文庫)

  • 新潮社 (1988年1月1日発売)
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本棚登録 : 563
感想 : 83
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ピートとピートの父さんの穏やかな会話、シンプルな食事、無邪気な戯れは、ちょっと村上春樹ワールドなイメージだ。だから何?っとも言える生活だけど、その何ともないところがさわやかで清々しい。家の裏出がすぐマリブビーチなんて想像するだけでワクワクする。父と息子がこんな風な時間を過ごすことができるのはとても贅沢だと思うし、現実的ではないかもしれない。本来、母親のそばにいることの方が多い年頃の息子が父親と一緒にいることを選択すること自体、男親にとっては嬉しい限りではないだろうか。赤いフォードでピートたちはドライブにでかけたが、オイラもまさにそんな旅を息子や娘と旅をしたいなという夢があった。どこに行きたいとか、何がしたいという訳ではなく、とりとめのない話をしながらオイラが子供に戻り、息子や娘が大人になる瞬間をお互いに感じ合えたら面白いだろうと思う。
それにしても伊丹監督が翻訳の仕事もしていたのはビックリだ。それにこの翻訳の方法。読み辛いなと思っていたけど、あとがきを読んで納得だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年11月17日
読了日 : 2016年11月17日
本棚登録日 : 2016年10月30日

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