最初の方、あまり話に入り込めなかったし途中で少し中だるみしてしまったものの、全体を通して言えば面白かった。
物語の軸となる敷島四兄弟。
順番にそれぞれの物語が進んでいくが、ごちゃごちゃになることもなく読みやすい。
この兄弟達を通して、当時の日本の情勢がよくわかる。
そしてこの四兄弟の前に順番に現れる謎の男、間垣 徳蔵。
この男の存在が不気味で、物語を面白くさせている。
今後、この男と四兄弟がどう関わっていくのか、楽しみだ。
そして、本文の途中に、印象的な一行がある。
"日本人は理論というものから遠ざかろうとしている。一時的な感情のみが行動の基盤になりつつある。"と。
これ、今も同じ。
現在だって自分たちの目的の為に理論や手段を選ばずに行動し、声を大にしてそれを主張する。
つまり、この昭和三年当時(物語の中では、そうなっている)と変わってない。もしくは一周回って、戻ってきてしまったのか。だとしたら。。。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年9月14日
- 読了日 : 2016年9月14日
- 本棚登録日 : 2016年9月10日
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