わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2012年10月18日発売)
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本棚登録 : 4632
感想 : 484
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発売して間もなくAmazonのウィッシュリストに入れてそのままになっていた本。昨日、池袋のジュンク堂で見つけて、手に取ったらもう買わずにはいられなかった。

私は、全部読み終わらない限り、本の良し悪しや評価を言わないことにしていて、それが礼儀だろうと思っている。
でもこの本は「まえがき」の4ページから、もう既に、どう考えても、良すぎて、早く「いい本!」って言いたくて仕方なくて、急いで急いで急いで読んだ。
書かれていることが、すっと刺さって、納得がいって、よく分からないけど、新書なのに読みながら涙が出て仕方なかった。

平田オリザさんの方法論は、国語の教科書にも取り入れられている。
本著は認知心理学の知見、演劇の経験、また大学での講義や小中高での出張コミュニケーション教育の体験などに根ざして書かれている。
筆者の「話し言葉」、特に「対話」(「会話」とは異なる)の言葉への感覚の鋭さは、プロとしか言いようがない。
たった230ページの平易な言葉で、これだけを語れることが、とにかく凄い。
言葉の教育に携わるなら、読んでみる価値のある本だと思う。
できるなら、高校生の自分に、この本を読ませてあげたかった。

第一章 コミュニケーション能力とは何か
第二章 喋らないという表現
第三章 ランダムをプログラミングする
第四章 冗長率を操作する
第五章 「対話」の言葉を作る
第六章 コンテクストの「ずれ」
第七章 コミュニケーションデザインという視点
第八章 協調性から社交性へ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書
感想投稿日 : 2013年3月24日
読了日 : 2013年3月24日
本棚登録日 : 2013年3月24日

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