よしもとばななという人は、「再生」を描くスペシャリストだ。
私は大きなものを失なったことはない。
でもよしもとさんの本をたくさん読んだことで疑似体験をした回数は半端ない。
この作品は、東日本大震災でいろんなものを失われた方に向けて書かれた本とのこと。
いつもより、特有のほのぼのグロテスク感(変な言葉ですが…)が少なく、とてもシンプルな小説という印象を受けました。
大切なひとを事故で失なった。
私自身も傷を負い苦しかった。
いっぱいいっぱい泣いた。
でも今、私はここにいる。
牛乳をゴクッと飲んでおいしいと思える。
すっかり変わってしまったけれど、以前の自分に戻りたいとは思わない。
シンプルなメッセージにいつものようにぐっときました。
泣かせようとしないから、泣いちゃうんです。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年3月7日
- 読了日 : 2013年3月7日
- 本棚登録日 : 2013年3月7日
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