安徳天皇漂海記

著者 :
  • 中央公論新社 (2006年2月1日発売)
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本棚登録 : 235
感想 : 54

落人伝説のような物語を想像していたが、まったく違った。
壇ノ浦の後の時代に天子と関わる人々の物語。
『古事記』『平家物語』『東方見聞録』などの史料がつながり、足跡ができていく。

関わりは無いように見える物語がつながっていく様子に驚いた。
第一部と第二部でまったく別の作品にも見えるが、天子を荒ぶる御霊にさせまいと動く物語の軸は一貫している。

軸となる話が幼い天子の入水なので、物語の雰囲気は静かで哀しい。

歴史小説ではなく歴史ファンタジー。

序盤の鎌倉ではゆっくり進む物語に焦れましたが、舞台が移って行くに連れ世界が広がってからは、もう一気に読めちゃう。
おもしろかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年3月29日
読了日 : 2013年3月28日
本棚登録日 : 2013年3月28日

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