ボクが好きな佐藤優氏が、彼の母親の故郷、沖縄・久米島を中心に世界を見て書き下ろした本。
本文にはこんなことが書いてある。「地球は球体である。それならば、その上のどの任意の点も「世界の中心」のはずだ。これまで、私が世界を見るときは、常に東京、ワシントン、モスクワなどの主要国の首都が世界の中心になっていた。いまここで見方を変えて、久米島の新垣の杜を「世界の中心」としてみると、歴史はどのように見えるであろうかという好奇心からこの本を書き始めた」。
最初は自壊する前のソ連から。根室、東京拘置所、沖縄と場所を変えながら、そして、ときに時間をさかのぼりながら話しが進む。
ただ、いまのボクにはこの本は難しい。特に沖縄の歴史に踏み込んでいくあたりは、もともと知識が少ないボクには苦痛に感じた。おそらく、巻末にある、大城大裕さんが書いている解説が、この本の位置づけを言語化しているはずだ。
この本は、いまも世界の中心である国の中央から見た歴史書ではなく、境界にある小さな民族の視点から世界を見た歴史を見直す試みであり、また、そのきっかけを与えてくれた佐藤さんのお母さんへのオマージュなのだと思う。
いつか、読み直すことにしたい。
読書状況:いま読んでる
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カテゴリ:
哲学
- 感想投稿日 : 2012年12月30日
- 本棚登録日 : 2012年11月24日
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