- Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569679440
作品紹介・あらすじ
何かとあれば正気を失ってしまう身心惰弱な少年カンナは、片思い中の女性の顔面に突如として開いた穴に吸い込まれ、異世界スウシャイへと迷い込む。そこで出会ったラヴと名乗る少女に救われたカンナは、少女が呪いによって「愛」に関する言葉を奪われていることを知る。取り戻すにはカンナの世界へと赴き、"もう一人の自分"の創作活動を止め、スウシャイを歪みから解放しなくてはならない。そんな目的を持つラヴとともにカンナは旅立つが、二人を待っていたのは人面鼠、蟹、しゃべる脳、毒の言葉を持つ魔女などとの禍々しき出会いだった。クトゥルフ神話の祖・怪奇小説作家ラヴクラフトを美少女化!名状しがたき暗黒冒険ファンタジー。
感想・レビュー・書評
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この表紙デザインを思い付いた時点で、本作は9割勝利だっただろう(笑)。この真っ黒な表紙の元ネタを知っている人なら、店頭でこれを見た瞬間、手に取るしかない。
中身もちゃんと(ライトではあるが)クトゥルフしてるのもポイント高し。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
HPLのキャラなどが少しは出てくるものの、基本的にはコミカルなファンタジー。ほのぼのと読めました。
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なんといっても、表紙がすばらしい。(^^
実はラヴクラフトというかクトゥルー一辺倒ではなく、ダンセイニのペガーナの神々あたりも下敷きにしているところが、ファン的には嬉しいところ。
主人公たちのかわいらしさ加減とは裏腹に、人体変容とか、割とクトゥルーの匂いが濃いところも良いですね。
もちろん、クトゥルー神話を読んでいる人向けなので、クトゥルー知らない人が表紙のイメージだけで買ってしまわないか心配ですね。(^^; -
少年は迷い込んだ異世界でラヴクラフトと名乗る美少女と出会う。意外にもしっかりした本格ファンタジーでした。くどい冒瀆的な描写はクトゥルフらしさがよく出ていた。
邪神蔓延るカオスな世界観がとても魅力的。エルリックサーガのようと感想書いている人がいたけど、自分も連想した。 -
ちまちまと読み進めていたもの。えらく時間がかかってしまった。
なんていうかオマージュ?リスペクト、とは違う気がする。
パロディが近いのかな?でもパロディってコメディのイメージがあってなぁ。
・・・横文字カタカナばっかで何言ってんのか自分でもわけわかんねぇ(苦笑)
2巻も出てます。自分は読まないけど。合わなかった。 -
ラヴクラフトな表紙に惹かれて買っただけだったんですが、あたりでしたw
内容に関してはラヴクラフトオマージュなラブコメか何か程度にしか思ってなかったので、内容が割りとしっかりとしており読み応えもあったのは予想外でした。
ただラヴクラフト作品を一つでも良いので読んでからこちらの作品を読むべきです。私もこの本を読むために1冊くらいはとラヴクラフト全集1巻をちょうど積んであったで、それを読んでから読みました。
実際には固有名詞に見覚えがあるな程度で読んでただけですがw
個人的に驚いたのはジェンキンの容姿でしたw
本屋で買った時点でカバーを掛けてもらっており、イラストをちゃんと見てなかったので、文章からかなりグロいものをイメージしてたのですが、読み終わってイラストを見ると割りとファンシーな感じで拍子抜けでしたね。
もっと禍々しいものをイメージしてたのですがw
例えて言うなら本物のハツカネズミの胴体にフクロウの顔面だけを貼り付けただけみたいなw
もっとやせ細って泥臭いのがよかったなー。 -
本家の全集も2巻しか読んでいないのですが、読んで見ました!面白かったです。表紙に釣られて読んでみました^^
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ラヴクラフトの女体化というネタの印象が強烈な本作だが、読み進めれば丁寧に書かれた王道ファンタジー作品であることがよくわかる。
序盤こそ主人公カンナの臆病で身勝手な有り様に不快を感じることもあるが、中盤以降の盛り上がりは素晴らしいし冒険の仲間たちも魅力的だ。
当然ながらクトゥルフ関連ネタが多いのだが、それにとどまらず神話体系全般に手を伸ばしているところは挑戦的だし、女体化もただの掴みには終わらせないので出オチを訝しむ諸兄は安心して手にとってほしい。
脚注が数多く用意されており、わからない用語があってもだいたい説明してくれる辺り、著者たちのクトゥルフ愛を感じる。
有名な児童文学と構成が似ているのは意識してのことだろうと思う。たぶん。 -
購入した。
書店で表紙を目にした瞬間に受けた衝撃で思考停止し買ってしまった。
内容はクトゥルーに触れたことのある人であれば面白く読めると思う。用語には脚注が入っているから初めての人でもそこそこついていけるような気がする。
歳なのか好みが変わったのか、人生や世界を肯定する発言が出てくると頬が緩むようになったことに気づかされた。 -
1巻読了。
うむ。ラノベの皮を被ってはいるものの、これは正統派クトゥルー神話大系である。
確かにキャラクタの設定にいわゆる萌え要素があるものの、それも最初だけ。終盤にかけての怒涛の展開、夢幻的なオーバードライブ感は、まさに正調暗黒神話。むしろ硬派ですらあった。
ちなみに、ラヴクラフト御大ご自身も、幼少の頃は少女として育てられていて…写真も残っており…(笑
http://p.twipple.jp/gw35Q
こういうのが隠れているから、ラノベ読みはやめられない。今年一です。