- Amazon.co.jp ・電子書籍 (179ページ)
感想・レビュー・書評
-
日本は、マンガ技術がある。東日本大震災と原発メルトダウンをマンガにするという試みは、いいことだと思う。少なくとも、事実を伝えるにも、バイアスがかかり、見たいものしか見たくないという時代風潮の中で、確かにマンガで描くと、不謹慎という言葉を吐く方もおられるかもしれないが、私はよく頑張っていると思った。作者自身が、自分の意見を押し付けていない。
「都市被災編」「書籍流通編」「先端科学編」「日本経済編」「食品汚染編」「東北取材編」「放射線の正しい測り方」、「食品編」の8つのストーリーがある。
都市被災編は、浦安の液化現象と地震当時娘さんがデズニーシーにいたので、その対応が書かれていた。嫁さんは、外国人に教える講座を持っていたので、外国人の驚き方もうまく描かれている。そんな状態だったのだ。インパクトのある映像よりも、身近な日常の異変を伝えている。
書籍流通編も、徳間書房から伝えて、本の流通メカニズムがよくわかり、被害をどう見るかも参考になる。電子書籍は、あまり普及していなかったようだ。
先端科学編は、つくば市の高エネルギー加速器研究機構(KEK)の視察は良かった。そこで何をしているのかがわかった。物質のナゾ、生命のナゾ、宇宙の起源を探っている。地震の影響のよく浮かび上がらせていた。停電によって、微生物を保持している研究上の冷蔵庫が温度停止して被害にあったというのはありうるね。
とりわけ放射線の測定方法に対する説明は、実にわかりやすかった。文章ではなかなか理解ににくいのかもしれない。私は、最近低線量の放射線被曝は、あまり問題はないのではないかと考え始めているのですが、このマンガでも解き明かされているような気がした。ただどうしても数値論になり、がんの発生を基準にする。その前提をどうも変える必要があるような気がする。放射線を悪と見立て、反被爆宣言という政治的立場の学者もいるからなぁ。素人が測って、きちんとしたデータをとるのは難しい。
経済編の円安と円高の説明は、ちょっと危ういなぁ。やはり、円安が日本政府の是としていることで、輸出産業重視なんだよね。国民は、世界から見ると相対的にビンボーになっていくようになっている。食品編は、2013年1月の状況を反映している。
この本を踏まえて、被災10年後の本も描いて欲しいと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
このマンガはきちんと震災後を取材して描いてる感じがして良かったな。一方的な視点にならずにきちんと描かれていると思う。
-
浦安が沈下しそう。
-
基本的に漫画は登録しないようにしてたんだけど、これはルポなんで^^; 震災後の筆者の取材&体験談といったものを書き下ろしたもの。震災時の物語は人それぞれにあって、これはその1つの物語でもある。
中でもガイガーカウンターの話は為になった。測定に運の要素が強そうで、震災直後に簡易版が売られてたけど、あんなんじゃ正しく測れないんだって知った。放射脳がいまだに多いけど、情報にだまされず正しい知識を身につけていくことは大事ですね。 -
マンガで関東大震災関連の題材を表現しているのは珍しいのでそこは好感が持てた.
マンガとしての面白さは残念ながら感じられず・・・. -
震災直後はこの手の記事が沢山公開されていたし、当時はそれなりに記事に触れたつもりだったけれど、こうやって読むとまだまだ知らなかったり誤認していたりするところが多いのに気付かされる。セールで買いましたがこの値段なら十分に元を取らせていただきました。
-
「ギリギリ温泉」と比べると、このルポ漫画のほうが素直に面白い。まとめる力に長けてるのかもしれない。