百年の家 (講談社の翻訳絵本)

  • 講談社 (2010年3月11日発売)
3.90
  • (60)
  • (90)
  • (57)
  • (11)
  • (1)
本棚登録 : 763
感想 : 102
3

[江戸川区図書館]

百年の家。題名からもうっすらとそのコンセプトはわかり、バージニア・リー・バートン の「ちいさいおうち」のように、ある家の周囲の移り変わりを追うんだろうな、と思いながら借りてきた。

ただ、思ったよりも重たい雰囲気?の本で、かつ出だしの1ページに字が多く、その後は年号と字のページ、見開きの画のページ、と交互に続く(絵と絵が続かず、間に見開きが入ってしまう)ので、正直読みたがらないかもなーと危惧しながら提示してみると、思ったよりも食いつきがよく、まるで間違い探しのように前のと後のとを見比べたりして最後までくいついていた。

ただ、提示している私自身、今イチ出だしを理解せずに読み進めてしまったが、「1656年」に建てられ、一旦廃屋となっていた家が、1900~1999年という二十世紀の100年間を過ごした流れを描いたものだったんだ!そこに二回の世界大戦、再度の廃屋期間を含み、世界の歴史と家族の歴史、その時々に応じた季節と時代の変遷も含みつつ。読み終えてからその流れと二回の世界大戦のことも説明してから読めばよかったと後悔。また、途中、抵抗運動の兵士たちが農民たちに感謝されるくだりも「なんで感謝されるのか」と聞かれて十分に答えられなかったことに反省。「抵抗運動の兵士」だから軍隊ではなく、いわば普通の人々で、本文にあるように「銃撃を中断してまで農作業を手伝ってくれたから」の感謝であることはわかるけれど、それ以前に「何に対する抵抗運動」なのか、しっかりとした内容がわからないからこっちの説明も自信無げなあやふやに。やはり戦争自体についての抵抗?この地域への侵攻に対しての抵抗?

とりあえず精工なつくりの絵を見るだけでも興味深い一冊。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 子どもの読書履歴(読み聞かせ)
感想投稿日 : 2017年1月31日
読了日 : 2017年1月31日
本棚登録日 : 2017年1月31日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする