バカヤンキーでも死ぬ気でやれば世界の名門大学で戦える。

著者 :
  • ポプラ社 (2015年10月5日発売)
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[学校]

小学校の図書室でふと見つけた本。こんな本の存在、知らなかった!まぁ探せばいくらでもあるのかもしれないけど、恐らくビリギャルの男版だよな、表紙絵の作りと題名からして、もしかしたら同じ出版社??

とりあえず世界の名門大学がどこなのか、バカヤンキーがどれほどのものなのかとその場でめくってみると、どうやらビリギャルよりも下を、そして上に行った感じの本で同様の興味をもてそうだったので、借りてきて、その日のうちに一気読みした。

■筆者の経緯
24歳から5年、29歳で大学を卒業したいと考え、まずは東大を調べたが1年で入学は無理、留学すれば現地の2年制大学→3年次からUCバークレーに編入することで可能かも、と計画。春と秋に始まる2年制大学(コミカレ)には、6月に集中講座が始まる語学学校で、契約終了の2月中旬までに上から2番目のクラスに昇格できれば入学できるので、6月に渡米。けれども渡米1w前に"something"すら中学レベルの英単語がわかっていない、ひいては"形容詞"という日本語の意味も分からないような状況での最低レベル(2)→最高から2つめのレベル(5)まで昇級しなくてはならなかった。

■超初級からの英語学習法1<語学学校時代>
・英検3級レベルの単語を覚える。
・文法の基本を覚える。
※沢山例文を読むとか、浴びるように英単語を聞けばいいというのは、中学生レベルくらいの基本ができている人間だと思う。
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文法ドリルの例文が少しづつ読めるようになってきたら、下記の二冊で文法を学びながら、表現力と読解力もアップさせた。何より問題数がちょうど良いくらいの分量だったから、「一冊すべてやりきる」達成感がよかった。
・「スワンとウォルターのオックスフォード実用英文法」のパートA&パートB
 ↓
下地ができたころ、レベル5のクラスに到達し、勉強内容も文法や単語中心→リーディングやライティングが増え、用意していたTOEFLの教材も頭に入るようになった。
※最高のレベル6でもバークレーの授業は聞き取れない。当時TOEFL60/120点でも到底無理。

■超初級からの英語学習法2<コミカレ時代>
12科目の一般教養全てで高得点が必要だったが、最初のセメスターでは編入に必要なクラスは一つも受講できないレベルで、ESL(English as a second language)の最上級コースを二つ受講&数学講義も初歩レベルから、と言われた。

ネイティブによる授業での英語力の低さ、また日本と異なる授業でのフォローの少なさ(宿題採点すら成績に反映される)から苦労し、まずは英語力をさらに上げようと、語彙力アップを試みた。
・単語本の覚えるページを開いて、知っている単語に黄色のマーカーを引く。
・付属のCDを聴きながら、知らない単語の発音とスペルを一致させ、意味を想像しながら小声で音読し、暗記する。
・ページの8割くらい暗記できたら、次のページへ進む。
『TOEFLテスト単語3800(旺文社)』を、最低1ページ/日以上暗記し、20分、1時間後に復習する。その後も一日かけて複数回思い出す。

次にリスニングアップのために、聴くだけでOKな教材とか、ABCニュースを聴いたりしたが、TEDトーク(TED=Technology Entertainment Design という名前のNPO団体)という、独創的なアイディアを持つ人によるプレゼン動画のネット配信(動画再生できるクリック可能な字幕つき)に行きつき、下記のような勉強法を1日30分くらい行ったら2週間ぐらいで耳が変わった。
・使えそうなフレーズを選んでパラグラフ全体をかき出し、不明単語を調べて暗記する。
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・シャドーイングを繰り返してパラグラフ全体を暗記したら、音読の練習を数十回行う。
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・最後に登壇者になりきって、ここで初めて動画を見ながら音読をする。

ライティングは幸運なことに読み書きスキルの高い現地友人に毎週のように作文添削をしてもらえたことでスキルアップした。

勉強法としては、最低でも6時間はねないと自分の体がもたないとわかり、効率性を高めるために始めた逆カレンダー(行動記録)をとって可視化したら、勉強と関係ない「赤」の時間が多く、勉強している「黄色」の部分も時間帯によってはかどる勉強の種類があることがはっきりした。筆者の場合は、Max14H/日、実質12-13時間が勉強時間。但し残る2年間、勉強量が10時間を下回る日はなかったはず。

また、効率の良い勉強スタンスとしては、下記の3つが金字塔となった。
・すでに覚えたことの復習には、時間を割かない。
・人に教えるつもりで授業を聞く。
・テストが始まる寸前まで復習をする。

長期休みにはムークス(MOOCs)やカーンアカデミー(Khan Academy)のような、ネット配信型の無料公開講座を活用し、さらに課外活動として、日本からアメリカへの留学を希望する人たちへの情報発信をする学生団体(Off and On)も設立した。

リフレッシュには、笑いと5分間の超短時間昼寝。

最終的にバークレーに受かったのはコミカレ時代の右肩上がりの成績(序盤の成績の悪さから、GPAは合格ラインスレスレだった)と、こなしていた課外活動、そして、パーソナルステートメント(①自分自身の素質や才能、②これまでの人生での経験や成果、③願書で説明しきれなかった魅力)の内容。当初は元不良→とび職→IT企業での営業という経歴を面白おかしくアピールしようとしたが、最終的に「自分がなぜ頑張りたいのか」を突き詰め、家族への感謝とそれに対する返し、卒業後には家族を援助し、支えるために人生をささげたいと書いたこと(これは就活に通じると思う。際立つ自己紹介以上に、「何をしたいか」「何ができるか」を突き詰めて売り込むアピール文作成を思い出さされた。)がポイントとなった。

■バークレーでの授業
発音を気にしすぎて言い回しが拙くなっていたりして、発言に枷が生じた。授業では"プロのコンサルタントのつもりで、不明確な表現と日常会話っぽい単語は禁止"だった。同じ海外留学生である中国人などを参考に、気を引き締めた。けれども授業のスピード感についていけず、読書課題(週6-8冊)が多すぎて読み切れなかったためにディスカッションについていけなかったりした。地頭が無理とあきらめかけていた。
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ダイバーシティ環境に身をおいて自分の甘さを再度思い知り、「授業を理解しきる」力を養うために、下記の三点を意識した。
・予習の徹底として、事前にシラバスを参考にして、教授が講義で話しそうなことを具体的に予測し、ネットで調べて大量のリンクを読みながら予備知識を増やしてから授業に臨むようにした。
・「発信する」つもりで聞く。
・質問をする。
・ライティングでは「相手を見る」。「誰」に「何」を伝えるかを最初に考える。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 自分用
感想投稿日 : 2017年6月16日
読了日 : 2017年6月15日
本棚登録日 : 2017年6月15日

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