レビュー by akubirabbitさん
2年半前に読んで、2回目。
前回読んだときは、教科書にも載っていた、先生の手紙(遺書)の部分が印象深かったけど、今回はその前の、「私」の眼からみた先生が、儚くて切なかった。
結末は分かっているのに、先生に対して、この人はなんでこんなに自分をさげすむのか、なんでこんなに人を嫌うのか、なんでこんなに自分を憎むのか・・・と、「私」の目線で見ている私がいた。
先生の妻が、「私」に悩みを打ち明ける部分も、同様に切ない。
妻にだけは決して心の内を明かすことができない先生のそばで、自分は愛されているのに憎まれている、と感じていた妻の感覚は、まさに当たっていて、その鋭さが余計に切ない。
でも一歩引いて考えたら、先生はなんて勝手な人間なんだ!と思う。
自殺するとか書くから、かわいそうに感じてその思考が高尚なものみたいに錯覚するけど、要するに友人(K)に取られる前にお嬢さんを自分のものにして、それで友人が自殺したから、自分の行為を一生後悔し続けているということで。
それって、すごく身勝手で高尚でもなんでもなくて、
でも、人間のこころっていうのは、本来こんな風に身勝手でできているんだろう、とも思う。
レビュー登録日 : 2012年01月11日






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