以下twitterより転載。
本書で用いる「わざ言語」という用語は、大枠では、様々な「わざ」の世界でその伝承の折に頻用されている、科学言語や記述言語とは異なる独特な言語表現を指示している。
…それは科学言語のようにある事柄を正確に記述、説明することを目的とするのではなく、相手に関連ある感覚や行動を生じさせたり、現に行われている活動の改善を促したりするときに用いられる言語である。(はじめに より)
どの分野にも必ずある「言語化できない知識やわざ」をどのように伝えていくかという点で、とても参考になります。「デザイン」も身体知や経験知を多く含む分野ですので、教育・伝達の場面で「わざ言語」が多用されています。
理論編を後回しにして第二部の実践編を読んでる。歌舞伎役者、アスリート、助産師などの言語化できない「わざ」が伝えられ学ばれていく様子は圧巻。単に手法として「デザイン思考」を学んでも直ちに創造的にはなれない理由がここに書かれている。デザイン教育の核心もたぶんこれ。
暗黙知の伝達における受け手の役割:「私たちのメッセージは、言葉で伝えることのできないものを、あとに残す。そしてそれがきちんと伝わるかどうかは、受け手が、言葉として伝え得なかった内容を発見できるかにかかっている。」(ポランニー「暗黙知の次元」) (「わざ言語」p69)
暗黙知は、「教師の説明を理解しようとする生徒らの知的な協力が期待できて初めて言葉で伝えることができる」(ポランニー「暗黙知の次元」) ものなのである。(「わざ言語」p69)
第4章 「文字知」と「わざ言語」…自分がデザインの教育の中でやってきた/やっていることの意味や理由が、明確に説明されててスッキリしました(^^) ,
第7章 人が「わざキン」に感染するとき…佐伯先生深すぎます。参りましたと言うしかありません。
…これでやっと読了。
【無断転載を禁じます】
- 感想投稿日 : 2011年5月14日
- 読了日 : 2011年5月9日
- 本棚登録日 : 2011年4月19日
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