日の目を見なかった作戦や兵器について、それぞれ数ページを割いて紹介している。
作戦のほうはなかなか厳しい。当時の戦況を理解していないと、その作戦がどういう意味を持っていたのか(あるいは持っていなかったのか)がピンとこないからだ。
数は少ないが、兵器のほうは身につまされる。日本軍が生物兵器の研究をしていたのは有名な話だが、連合国も猛毒リシンを含ませた針の雨を降らせる化学兵器や、炭疽菌を使った生物兵器の研究をしていたとは初めて知った。これらは結果的には幻となったわけだが、その代わりに原子爆弾が使われた。炭疽菌と原子爆弾のどっちが「人道的」なのか、日本軍と連合軍のどちらがマシだったのかという議論に意味があるとは思えない。
気が滅入った。
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カテゴリ:
歴史・ドキュメンタリー
- 感想投稿日 : 2017年8月5日
- 本棚登録日 : 2017年8月5日
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