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砂の女 (新潮文庫)についてのamacumoさんのレビュー


砂の女 (新潮文庫) 5412人が登録 ★3.69

著者: 安部公房 
本 / 新潮社 / 276ページ / 2003年03月発売

レビュー by amacumoさん

 未設定  読み終わった  読了日 : 2012年01月01日  登録日: 2012年01月02日

掻いても掻いても降り積もってくる砂を
ただひたすら掻き出すことにやりがいを見出してやしないかと
自分の身を振り返って愕然としてしまう。

男女ということもあり、ただ言葉少なに、申し訳なさそうに女が振舞うだけで、
責め立てる側の男は罪悪感から逃れるために優しい態度をとらざるをえなくなる。
女が示す無上の喜びに対して、男は初め、「砂糖をなめすぎたような」気まずさを覚える。
しかしながら、貯水装置という生きがいを見つけてからは、その甘さも疲れを癒す心地の良いものとなりかわる。
よそ者として優位に立っていると信じ込んでいた男が、弱者であったはずの女に音もなく飲み込まれていく様は、それ自体砂を連想させる。

現状の合理化がどれほど無意識に行われるかを見せつけられて、
苦々しい思いを感じます。 レビュー登録日 : 2012年01月02日


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