「これぞ流浪の人の群れ まなこ光り髪きよら」開いたページにあった『流浪の民』のサビ。もの悲しさと同時に情熱を秘めたこの歌は小説全体に漂う雰囲気そのものでした。戦争で家も家族もなくし、明日の命の保証さえないけれどそれぞれに自分の道を歩もうとする姿には強さを感じます。しかし敬語でおしゃべりするような少女たちの学院生活は「禁断の」という言葉を付けたくなるなんとも異質な世界。歪んだ愛が痛々しい。ミステリーYA? 私には純文学のように思えた。「イブであってイヴではない」べー様が魅力的でした。装丁が素敵。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
YA
- 感想投稿日 : 2015年5月17日
- 読了日 : 2014年2月15日
- 本棚登録日 : 2015年5月16日
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