1946白洲次郎と日本国憲法

著者 :
  • 新潮社 (2010年4月1日発売)
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感想 : 6
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読み物としては物足りなかったが、日本の憲法が、如何にアメリカに押し付けられたものかという屈辱的な歴史を知るには、たいへん意義のある本だった。
本編とは直接関係ないが、1946年の衆議院本会議で日本共産党の議長である野坂参三が、憲法九条の解釈にあたり、吉田茂を追及するシーンが面白い。「・・・中国あるいは英米その他の連合国と戦った戦争は、防衛的な戦争であり、これは正しい戦争といって差し支えないと思う。・・・憲法草案に戦争一般放棄という形でなしに、侵略戦争の放棄、こうするのがもっと的確でないか」、今の共産党や社会党の現役党員が聞いたら腰を抜かしそう。戦争を生き抜いた政治家は、左翼であっても、腰が据わっていたということか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2012年12月21日
読了日 : 2012年12月21日
本棚登録日 : 2012年12月21日

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