「ノマドの人達の将来設計ってどうなってるんだろう?」この本を読むまで、僕はいつもそんなことを疑問に感じていた。終身雇用、年功序列の古き良き働き方に比べて、悪い意味で行き当たりばったりのこの新しい働き方がアリとキリギリスのキリギリスのように思えたからだ。
この点に関して、著者はノマド的働き方を「人生の時間軸を横に倒す生き方」と説明している。昇進したら、定年したらという縦軸上に自分の第二の人生の楽しみを置くのではなく、週3日働き3日半はリタイア生活を送るという具合に、横軸上に理想の生き方を配置するのだ。そういった観点からすると、なるほど確かに、一般人が考える老後の心配などは、そもそも想定の範囲外なのだろう。
本作は、いわゆる「ノマド的ライフスタイル」についての紹介本であり、押し付けがましいエゴイズムはほとんどない。新しい生き方の標としたい方には物足りないかもしれないが、怪訝で胡散臭い印象を持っている方が実態を知る術にはなり得る著作であると思う。
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- 感想投稿日 : 2013年4月7日
- 読了日 : 2013年4月7日
- 本棚登録日 : 2013年4月7日
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