Sister: The phenomenal Sunday Times and New York Times bestseller
- Piatkus Books (2010年9月2日発売)
本棚登録 : 13人
感想 : 5件
この本は妹の失踪事件を姉が追うミステリー仕立てとなっていますが、私は半分文学作品みたいに感じました。なかなか深い。だから読み進みませんでした。扱う内容も「家族の絆」と「医療過誤」そして「先端医療」なので、その部分での単語は難しかったです。まず、ウィルスベクターやら、嚢胞性線維症(CF症)(のうほうせいせんいしょう、Cystic Fibrosis)なんて、私の電子辞書にはもちろん載っていないので、想像しながら読みました。想像とあんまり違わなくてあとでちょっとほっとしました。
話は謎解きなんですが、それは表向きで、実は主人公が妹の事件の謎を追う過程で、家族と向き合い、自分と正面から向き合うという「自分探し」の話でもあるのではと感じながら読みました。たまに『どこまでが、ほんとの話なのだ?』といった不安感があったんですが、その感覚は決して自分の英語力不足による読み違いではなくて、作者の計算のもとに落とされた感覚だということが最後にわかります。そのへんがこの本の魅力かもしれません。
謎解きの面白さというよりも、もっと重いテーマが流れる作品です。やっぱり、エンタテイメントではなく、ロンドンという暗い冬の厚い雲のなかに閉ざされた雪の街でのある一人の女性の葛藤を描いた作品。
読書状況:読み終わった
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未設定
- 感想投稿日 : 2011年7月24日
- 読了日 : 2011年7月11日
- 本棚登録日 : 2011年6月6日
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