以前、梶尾真治の『梨湖という虚像』という短編を読んだときに、この表題作の『フェッセンデンの宇宙』を引いた解説があった。そのときからずっと気になっていて、それこそ10年以上経ってようやく手に取ったのがこの本。
SFは好きだけれどあまり読んだことがない私が、この短編を読みながら思ったのは、ブラッドベリの世界と似ている気がするということ。実際はブラッドベリのほうが年下のようなので、ハミルトンがブラッドベリに影響を与えた部分もあったかもしれない。
奇想コレクションというテーマにふさわしい作品群だなぁと読んでいて思った。
好きだったのは『逃亡者』。メタSFだけど、アシモフの『心にかけられたる者』を思い出した。表題作もそうだけど、すごい、うまい、という気持ちと同時に少し首筋が薄ら寒く感じる怖れがかえって心地いい。
他の収録作も好きなものが多かったので、これを気にハミルトンの他の作品も読んでみたい。絶版本をどうやって取り寄せるかが問題なんだけど。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
SF・ファンタジー・幻想
- 感想投稿日 : 2010年7月20日
- 読了日 : 2010年7月19日
- 本棚登録日 : 2010年7月19日
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