「隠し事をつくらない」をモットーに暮らす家族。
でも本当は誰もが秘密を隠している。
特殊な秘密があってもなくても、誰でも実際そういうものだと思う。
彼氏とラブホに行ったこと、浮気してること、イジメられてること、そんなの言わないよ。
一番つらいと思ったのは母、絵理子。
殺したい程憎い母親から一刻も早く逃げて、幸せになりたかった女。
計画的に子どもを孕み、新しい家族をつくった。
あんな母親にはなりたくない、あんな家庭には絶対したくない、そんな想いで出来たのが「隠し事をつくらない」だったんだろう。
でもそんな単純に上手くいくわけじゃない。
ベランダに植えた花がまるで拠り所のようだった。
花が減って物寂しいベランダには耐えられない、母親の空中庭園。
その母親の不安定さや精一杯さに苦しくなった。
前世って、マジであるかもな
だって、特別さびしくなんかないのに、さびしいってどんなことかわかるだろ
そう考えるコウの台詞にそうかもしれないなぁ、と思った。
昔観た行定監督のパレードを思い出した。
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- 感想投稿日 : 2016年4月22日
- 読了日 : 2016年4月21日
- 本棚登録日 : 2016年4月21日
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