キラキラ共和国

著者 :
  • 幻冬舎 (2017年10月25日発売)
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ツバキ文具の続編。
代書の話はやや少なめだが、夫婦や家族への手紙。主にポッポちゃんのその後のお話。

ポッポちゃんとミツロー(守景)が結婚しQPちゃんと三人は家族になった。自分のお腹を痛めて産んでいないとはいえ、QPちゃんはポッポちゃんにとってかけがえのない娘に。QPちゃんを命懸けで守った産みの母親、美雪さんの意志を受け継ぎ大切に育てる事は、ポッポちゃんにとっても安らぎになるのだろう。また親になる事で先代が自分に厳しくした意味を知る事も出来た。ポッポちゃんの母親レディ・ババが自分を捨て出て行った事も理由次第では許してしまった方が楽かもしれない。血が繋がっているから難しい事も、繋がっていないから難しい事もあるのだろうから。

ミツローの実家の人たちもいい人ばかり。美雪さんがひどい事件に遭った事を家族として悲しめる。その上でミツローの再婚を心から喜んでいる。ミツローもポッポちゃんも幸せ者。
亡くなった人には二度と会えないけれど、生きている者が忘れない限り心の中でずっと生き続けているのだと思う。美雪さんもそしてポッポちゃんが先代と呼んでいるおばあちゃんも。
次回作では“先代”ではなく“おばあちゃん”と自然に言えるようになっているといい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小川糸
感想投稿日 : 2018年1月14日
読了日 : 2018年1月3日
本棚登録日 : 2018年1月3日

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