とてもやわらかく、繊細な感じがした。
情緒的でふわふわと温かく、みずみずしさのあるとても女性らしい文章。ほっこりとさせてくれる。
最近読んでいた作品に偏りがあったな、と感じさせてくれた本。
簡単な漢字も、あえてひらがなで表現することによって生まれる柔らかさと、流れるように綴られる、独特の言い回し。
味ともいえるその良さに、最初は少し読みにくさをおぼえた。編み物を通して語られる、普通の市井の人たちの、日常。ほどいてはやり直し、編み手によって選ばれた糸の色や素材、編み手の個性によってそれぞれ違う作品が出来上がるように、人の人生もそれぞれ。
悩みながら、周りの人に助けられながらも、前を向いて行こう、と思わせてくれる。
初めて石田千さんの小説を読んでみたけれど、他の小説も読んでみたくなった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
Books
- 感想投稿日 : 2015年11月4日
- 読了日 : 2015年11月4日
- 本棚登録日 : 2015年10月15日
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