大地のゲーム

著者 :
  • 新潮社 (2013年7月31日発売)
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本棚登録 : 851
感想 : 164

学生運動の話かな?と思わせる導入であった。それにしては疲れきっていて、やぶれかぶれだ。妙だ。と読み進めるうちに、この世界がどんなものなのかが分かってくる。一言でいえば近未来(それも望ましくないタイプの)だ。

舞台が「いまここ」から離れているぶんだけ、場景描写にページを割いてしまっている。そのため冗長に感じる部分はある。
だが人物描写はさすがだ。極限状態に陥った若者たちの恐ろしい部分を、描ききっている。彼らの狂気、憎悪、攻撃性が見え隠れする。このように、場景描写の効きめが表れているのだ。

そして何といっても、表紙絵がすばらしい。かわいらしいゲルニカ風の絵が、この話を代弁しているといっても過言ではない。
文庫化する際も、是非ともこの表紙であってほしい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年1月9日
読了日 : 2014年1月9日
本棚登録日 : 2014年1月9日

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