謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2017年6月22日発売)
4.23
  • (115)
  • (104)
  • (32)
  • (7)
  • (3)
本棚登録 : 1358
感想 : 87
5

内容(「BOOK」データベースより)
“崩壊国家ソマリア”の中で奇跡的に平和を達成しているという謎の独立国ソマリランド。そこは“北斗の拳”か“ONE PIECE”か。それとも地上の“ラピュタ”なのか。真相を確かめるべく著者は世界で最も危険なエリアに飛び込んだ。覚醒植物に興奮し、海賊の見積りをとり、イスラム過激派に狙われながら、現代の秘境を探る衝撃のルポルタージュ。第35回講談社ノンフィクション賞、梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞作。

高野秀行というジャンルが確立して、他の冒険ものやエッセイ物では替りが効かない存在感が日増しに増大しています。とにかく突撃して行く姿勢は年齢を重ねてもさほど変わらないようで安心。
ソマリランドは、ソマリアの北部で絶賛立国中の国なのですが、なんと国際社会では非公認の国で公式にはソマリアの一部にカウントされている不思議な国です。しかも内戦でとんでもない事になっていると思われているソマリア、海賊の本場ソマリアの北に有るに関わらず、平和な国で夜でも女の子が町にフラフラ遊びに行っても大丈夫なくらいに治安が安定している。何故なのか??
という疑問を高野氏が身を持って解明していく熱い本です。一番熱いのはあまりに現地と融和してソマリ人化した高野氏が、次第に堅い友情を築いていくくだりでしょうか。
とにかくボリューム満点で、ドスンとした物が心に残る名作です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年8月21日
読了日 : 2017年8月18日
本棚登録日 : 2017年8月20日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする