羆撃ち (小学館文庫 く 8-1)

著者 :
  • 小学館 (2012年2月3日発売)
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本棚登録 : 663
感想 : 73
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ありがちなプロフェッショナルな人の一人語りかと思って読み始めましたが、これは深淵なる自然との交歓の記録であります。羆ものは好きなのでどうしても読んでしまいます。
ただ、やはり基本的に野生動物を狩って首を飾ったりするのは生理的に受け付けないので、アメリカのハンティングに弟子入りしている所では素直に頷けない部分もありました。他国の文化なので否定はしたくないですが、動物の首をトロフィーといって、壁に飾ったりするのはどう考えても悪魔的。食べる為でなく飾るためってどうかしていると思っています。
でも日本で愛犬フチと共に野山を駆け回って、狩った動物に感謝と愛を持って生活の糧にしている所は神聖な空気を感じる事が出来ました。そもそも生き物を殺す事を云々する人がいますが、自然に無関心な人が自然を壊すんですよね、特に川で遊んだ事無い役人のする公共工事は本当にえげつないです。以前秩父の山中ので前年まで誰も来なかった小さな渓谷が翌年護岸されていた時はまさに怒髪天を衝くという気持ちでした。話は逸れましたがこの本は自然への敬愛に溢れています。
ちなみにアイヌ犬フチがとてもいじらしくてかわいいので愛犬家にもお勧めします。絶対泣くので人前で後半は読まない方が良いでしょう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年10月2日
読了日 : 2017年10月1日
本棚登録日 : 2017年10月1日

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