流れ星が消えないうちに (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2008年6月30日発売)
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本棚登録 : 9273
感想 : 835
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いっつも古本屋の100円コーナーに鎮座していて、でもなんだか甘そうだなあと横目でチラチラ見ていました。あれでしょ?傷心の女の子を見守って手も出さないでプラトニックに女の子の気持ちを慮って植物系男子がフェザータッチの淡い恋心で彼女を受け止めて行くとかそんな感じなんじゃないの?
なんて思ってました。なら読まなければいいじゃない?と思いますよね。そうなんです。僕は心に乙女を飼っている熊系男子なので、実はキュンキュン系が好きなんです。さあ!こい!どんなキュンキュンでもこの熊パンチで粉々にしてやるぜえ!ひゃっはあ!
と思っていた所、予想外にしっかりと男側と女性側の心持が描かれていて、おいおい酔ってんじゃねえよなんて思う部分が無くとてもいい本でした。
亡くなってしまった加地と奈緒子のなれ初めがキュンキュンですが、そこには巧が協力していて、この流れがとても青春していて、汚れた心が洗い流されるようでした。

ちなみに亡くなってしまった親友の彼女に手を付けた巧君の気持ち僕結構分かります。
友達とその彼女がとても幸せそうで、見ている自分も幸せにな気分になれるのだけれども、もし友人が亡くなって他の誰かとくっつくのは見たくない。それくらいだったら俺と居ろ!という感じなのです。
その2人で完成している状態に惚れるというか、友人と居る彼女が好きなので、自分と居たらそういう彼女でいられたのか?という感じというか。うーん。上手く言えない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年9月21日
読了日 : 2015年8月29日
本棚登録日 : 2015年9月17日

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