配達あかずきん―成風堂書店事件メモ (創元推理文庫) (創元推理文庫 M お 5-1 成風堂書店事件メモ)

著者 :
  • 東京創元社 (2009年3月20日発売)
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本棚登録 : 3809
感想 : 466
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期待していなかったけれども予想外に面白かった。しっかりお仕事小説しつつも、ミステリーとしての体裁がしっかりしていて、しかも事件もバリエーションが豊富で読み終わった後納得できる。
強烈なキャラクターで引っ張るのではなくて、普通の女の子と普通の人より少し推理力がある女の子(それでもかなりの慧眼ですが)なので、萌え要素(少しだけある)や偶然の多さに辟易したりせず話の内容に集中できます。

一番好きだった話は「六冊目のメッセージ」
ある日書店に、入院時に母を通じて本を選んでもらい、とても励みになったとお礼を言いに女性が来店する。
1冊ずつ5冊選んでもらい、どれもこれも素敵な本ばかりだったという。書名を聞いた杏子は唸った。「そんな幅広く素敵なチョイスを出来る書店員はこの店にいないのではないか・・・」案の定該当者0。女性は意気消沈して帰っていった。
その本とは・・・

その1、一見堅苦しそうな装丁で、中を開くと胸の透くような写真集。

その2、ボタニカルアート&エッセイ

その3、ダヤンのイラストハウツー本

その4、浅田次郎「民子」

その5、ロバートAハイライン「夏への扉」

母に確認すると絶対にこの書店の方に選んでもらったという、果たしてこのセレクトをしたしゃれた書店員とは一体誰なのか・・・。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年9月21日
読了日 : 2015年8月19日
本棚登録日 : 2015年9月17日

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