官愚の国

著者 :
  • 祥伝社 (2011年3月19日発売)
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感想 : 16
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この本の筆者は「官僚中の官僚」と異名をとる旧大蔵省・現財務省の出身なんだそうです。日ごろ、僕たちが知ることのない官僚の世界をのぞき見ることができます。

Facebook上で現役の官僚とおっしゃる方と『友達』になったので、あんまり官僚のことをこの本に書かれているように悪し様には書くことはできないんですわ。しかし、筆者は『官僚中の官僚』と異名を持つ財務省出身なだけに、日本の中枢が恐ろしいほどに克明に書かれてあって、読んでいてぞっとしました。もし、ここに書かれていることが本当のことだったら、日本はどうなるのだろうと思ったしだいです。特に自分が恐ろしいなと思ったところはかの宮澤元総理が旧大蔵官僚のエリート中のエリートだったということは有名ですが、相手の学歴を聞くときに『(東京大学の)第何期かね?』と相手が東大を卒業してあることが前提という、なんとも象徴的なエピソードに背筋が恐ろしくなりました。やはり、東京大学の人間しか基本的に行ってはいけないところなのだと。そんなことを思いました。

そして、最も参考になったのは、試験問題を作成する場面で、あらかじめ問題はリークされてあるのだと、そして、その問題をきっちりと勉強した人はできるが、できない人はまったくできない。そういう風に作っている。というエピソードを聞いて、僕がなぜあの時公務員になれなかったのかと。その疑問が氷解しただけでもこの本を読んだ価値がありました。これからがんばって官僚を目指すみなさまは過酷な受験勉強の間にこの本を一読していただいて、これから進む世界はこうであると予習していただけるとうれしいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年12月1日
読了日 : 2011年12月1日
本棚登録日 : 2011年12月1日

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コメント 1件

夜半ノ嵐さんのコメント
2012/01/29

ウン。とくに終わりの第三段落目。

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