アップルのデザイン

  • 日経BP (2012年4月19日発売)
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「一目見て、それが何をしてくれるのかを理解できるようにしろ」アップルの精神の根幹を成すといわれる「デザイン」への圧倒的なこだわり、ここでは著名人のインタビューや数々の図案などを基に解説されております。

アップル社が世界最高の時価総額を誇る会社となった要因のひとつに故スティーブ・ジョブズ氏が徹底的にこだわりぬいたとされるデザインを抜きにしては語ることはできないと思います。本書ではデザインという視点からアップルという会社や製品を徹底的に解説したものとなっております。

プロダクト、インターフェース、パッケージ、店舗空間、広告・グラフィックデザイン、知的財産権戦略までよくもまあここまでのことに踏み込んで解説がされたものだなと、僕はデザインを本格的に学んだことはありませんが、インタビューに応じた
長谷川踏太氏(ワイデン+ケネディ トウキョウ・エグゼクティブクリエイティブディレクター)増井俊之氏(慶應義塾大学 環境情報学部教授)
猪子寿之氏(チームラボ代表)
藤崎圭一郎氏(デザインジャーナリスト)
山中俊治氏(慶應義塾大学大学院教授、リーディング・エッジ・デザイン代表)
坂井直樹氏(コンセプター)
らによる貴重なお話の数々や数々のデザインを引き受ける「デザイングル」の異名を持つジョナサン・アイブ氏の1999年当時の貴重なインタビューなどが1冊に盛り込まれていて、素人目にも、ここまでのこだわりあってのシンプルさだとつくづく思い知らされました。

とても印象に残っているのはiPhone4Sの分解した際に、使用されているネジの構図が製造時の効率性を犠牲にしてまで構成されている、というところで、ほかの企業にはまねのできない「神業」だと解説されているとことでございました。ティム・クックCEOに体制が変わり、今後も続々と新製品を発表するであろうアップル社が、今後どうなっていくかを見守りつつ、その思想の根幹を成す「デザイン」というものの重要性の一端を知ることができただけでも、この本に出会った価値はあると思っております。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年6月12日
読了日 : 2013年6月12日
本棚登録日 : 2013年4月21日

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