「独りであること、未熟であること、それが私の『二十歳の原点』である」この言葉を残して、貨物列車に飛び込んだ女子大生、高野悦子の手記です。読んでいてあまりにも純粋で、そして痛々しかったです。
「独りであること、未熟であること、それが私の『二十歳の原点』である」
高野悦子
いやぁ、やっと読み終えた。これは、有名なのでさらりとしか書かないけれど、二十歳で鉄道自殺を遂げた大学生の十四歳から亡くなる直前までのころを綴った手記である、僕がこれを知ったのは、単なる『ジャケ買い』で、彼女のことは当時何にも知らなかった。でも、経歴を見て、『あぁ、やっぱり何か惹かれるものがあったんだなぁ。』というものがあった。やはり、僕のなかにも彼女は、いる。だけど、彼女は純粋すぎた。
僕は、年をとったので、永遠に時間をとめてしまった彼女よりは少しだけいろいろなことを知っている「つもり」である。だから、いろいろなことがあってもなんとか、生きていける。読んでいてつくづく思うことは、あそこまで自分と格闘すればその先に待っているのは「死」のみである。ということに他ならない。彼女の手記を見て、「純粋」さと「危うさ」というのは本当に表裏一体であると感じずにはいられなかった。だけどここまで自分と向き合ったのか?ときかれると正直「ウーン」といわざるを得ない。読んでいて非常に内容が生々しく、後半の死に向かっていく過程はあまりにも痛々しいものだった。
でも、一見の価値はあると思う。できれば十代、二十代のときに読んでほしい本である。
- 感想投稿日 : 2011年7月4日
- 読了日 : 2010年12月6日
- 本棚登録日 : 2010年11月5日
みんなの感想をみる