真鶴 (文春文庫 か 21-6)

著者 :
  • 文藝春秋 (2009年10月9日発売)
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本棚登録 : 2109
感想 : 215
5

読み始めて、あれ…これは苦手なタイプの作品かも…
と、時間をかけて読むことになってしまった。

しかし、後半からは、一気に引き込まれた。
それまで皮膜のむこうの世界を、ぼんやり
眺めているような読書時間だったのが、
皮膜をやぶり、一気に核心に迫るような。

誰かを想うこと、失いそうになること、
失ってしまうこと、失ったあとに焦がれること。
すべてが、ちりちりと胸を焦がすように
その熱が痛いほど伝わるような気がした。

歳を重ねること、時間がゆっくりと積もってゆくこと。
そうして、やさしい風がふくような
読後感。

読み切って、よかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2016年7月19日
読了日 : 2016年7月19日
本棚登録日 : 2016年7月19日

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