豚のPちゃんと32人の小学生: 命の授業900日

著者 :
  • ミネルヴァ書房 (2003年6月1日発売)
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本棚登録 : 160
感想 : 32
5

一期一会な本です。
図書館のオススメコーナーの棚で目に止まったのは、妻夫木聡さんが主演する「ブタがいた教室」という映画の予告をたまたま見て、タイトルを知っていたからというのがきっかけでした。
「みんなでブタを飼って、最後には食べます。」

強烈なインパクトを持ったセリフでした。
だから、タイトルを覚えてたんだと思います。

でも、映画は実際とは話の展開が違うようですね。
食べることは最初、想定してなかったということを読んで知りました。

新任の先生が、普通と違うことを行うこと、とても大変だったと思います。
保護者や同僚、上司、そして世間からも常にプレッシャーをかけられていて、本来の仕事である生徒への教育がやりたいようにできない悔しさが積もって、諦めたり虚無感を持ったりした教職者というイメージを持ってます。
私は現在の教育業界(役所、学校、教師、生徒、保護者)というものに不信感たっぷりで、自分の子ども(まだいないけど)には日本の学校通わせるの迷ってるほどです。

でも、この本を読んでると、それは私の勝手なイメージだったんだなと。

おそらくテーマである、「命ということ」については、他の方がたくさん書かれてるであろうし、この問いに対しては唯一の答えを出すことが簡単にはできないと思います。

教育も同じだと思う。
「こんな教育をしていれば、みんな素晴らしい生徒に育ちます」なんてメソッドは未だに存在してない。

「教育」って、お役所の言うとおりの方法でするだけでいいのか?
現場の判断で、様々な方法・手段があっていい。
ただ、それをやり遂げるかどうかは、独りの力じゃ無理。
この本も学校以外の多くの方々の力を得て、成り立っていることが書かれてました。

円周率が3でいいのかとか、もっと国民が教育に対して真摯に考えるような世の中になればいいなぁ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 衝動買い(借り)
感想投稿日 : 2010年5月9日
読了日 : 2010年5月8日
本棚登録日 : 2010年5月8日

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