花の第三次十字軍から第八次十字軍までを描いた完結巻です。第三次十字軍の『サラディンVS獅子心王リチャード』の戦いは読み応えがありました。やはり「塩野さんが一流と認めた男たち」の戦いの描写は、躍動感があって読んでいておもしろいし、こちらも引き込まれていきます。ですが「十字軍物語」ではそのような武将はあまり輩出されなかった印象。なので今までの塩野さんの本の中では、残念ながらなかなか読み進めづらかったかな。
結局十字軍は第ハ次まで続き、一時期はイェルサレムを奪還するも長続きせず、再びイスラム教勢力下に。そしてイタリア海洋国家の繁栄、フランスの中央集権化、モンゴル軍台頭の中、ローマ法王の権力は失堕へ。中世の時代は終わりを告げ、ルネッサンスの時代へと移って行くこととなる。当たり前だけど、歴史は繋がっているんですね。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年7月31日
- 読了日 : 2012年7月31日
- 本棚登録日 : 2012年7月31日
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