【あらすじ】
T大学大学院生の簑沢杜萌は、夏休みに帰省した実家で仮面の誘拐者に捕らえられた。杜萌も別の場所に拉致されていた家族も無事だったが、実家にいたはずの兄だけが、どこかへ消えてしまった。眩い光、朦朧とする意識、夏の日に起きた事件に隠された過去とは?
『幻惑と死と使途』と同時期に起こった事件を描く。
【感想】
このお話は二つの意味ですごいと思った。一つは、『幻惑の死と使途』という話と連動しているところ。そしてもう一つは、起こった事件のことも家族のこともすべてにおいてが、異様なところ。一つ目の方で、この異様さについてもっと萌絵に関わって欲しかったけれど、向こうの事件があってそれができなかった。もう一つのその異様さ。普通の人からして見たら、普通だとは思えないだろうと思うことを普通にしている。情報や状況が錯綜しすぎていて何が何だかわからなくなっていた。でも、杜萌と杜萌の詩人のお兄さんを描いた、和やかなシーンは好きだなあと思った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
▶森博嗣
- 感想投稿日 : 2017年4月2日
- 読了日 : 2018年5月8日
- 本棚登録日 : 2015年8月27日
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