木暮荘に住む、もしくは関連する人々の日常を切り取った連作。
読み終わった後、なんだか心があったかくなる。ありきたりだけど、本の中で誰かがどこかで不幸になることもある。逆に幸せになることもある。どちらもが介在するのが、この世界だから。
でも最後に、不幸だなと感じながら読み終えるより、あーこの人たちはこれからも幸・不幸を繰り返しながらでも生きていくんだなと思えるほうが、わたしはいい。
少しあり得ない人(女子学生)もいたけどね。
でも彼女の話が泣けた。
自分ではもちろん経験していないことだけど、変にリアルに心に入ってきて、泣けそうだったよ。
私は妊娠を必ずしも希望しているわけではない。
年齢的なものはさておいて、その意味では制限はされていない。だから、もう産めませんと宣告されている人のつらさを理解するのは難しいのかもしれない。
生まないかもしれない、結果として子供がいない事と、生めなくて子供がいないことの違いに胸が痛くなる。上から目線のコメントになるのかもしれないけど。
だからこそ、大学生の話は突き刺さった。
並木君の話もよかったかな。
意外だったのは、花屋/喫茶店のオーナーの話。
まさか浮気が事実だったなんてね。
なんとなく違う理由があってのことだと思ったのに。
なぜ浮気をしてしまうのかなぁ。残念。
でも最後が並木君の話でよかった。
そういう意味で配置も絶妙。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
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- 感想投稿日 : 2015年10月10日
- 読了日 : 2015年10月10日
- 本棚登録日 : 2015年10月10日
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