図書館内乱 図書館戦争シリーズ (2) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2011年4月23日発売)
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仕事に陰謀に救出に恋に(?)郁ちゃん大忙し!

美人ゆえに苦労も心労も多く、誰にも心を開かず
うまく立ち回ることを覚えるしかなかった柴崎。

そんな心を気取られまいとしてきた彼女が
言葉の裏のない郁ちゃんに出会って、
大好きと心の中でしっかりと思えてほんとによかった。

内乱の内容は違えども今の日本に多々ある
問題と重なる部分も多い倫理観や正義感の問題。

"正しい未来のために自分の自由を捨てられる人は
崇高だと思うし尊敬する。
でも、それができない人を貶めるのは違う"

それがいかに正しい"正義"の正論であろうとも、
自分の尺度の正義を振りかざして
人に押し付け、傷つけ、そうできない人の上に
立ったかのように、粗暴な言葉で断罪する人を
たくさん見て心の痛む近年。

すべての事柄はいつだって多面的で、
思考の隔たりや、自分が正しいと思いすぎることは
とても危険だし、自分との相違を切り捨てることや
許容や柔らかさ、思いやりのないところに
正義も優しさも育つことができず、誰も救えない。

すべての人の意見がまぁるく収まる方法はないけれど、
みんなが笑っていてられることが
すべての事柄に通じる幸せだからこそ、
意見の相違がある時こそ、相手を慮って
歩み寄り、最良の道を探していける世界になるといいな。

そして娘を案じながらも、信頼し、
黙って堂上に想いを託していった父。
静かに受け取った想いを受容するシーンが素敵だった。

恋もいっぱいの2巻。
憧れから恋へと変わる小牧さんと毬江ちゃんの恋。
他人の恋には気づけども、肝心の郁ちゃんは相変わらず…。
でも、次巻はエーーー!な進展が楽しみ♡

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ■ 有川浩
感想投稿日 : 2013年12月21日
読了日 : 2013年12月21日
本棚登録日 : 2013年12月21日

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