いきなり王子様に大外刈りを華麗に決め込む
郁ちゃんの飛ばしっぷりで始まる第三巻[笑]
じれったく甘い2人や、お互いをとっても大切にする
小牧さんと毬江ちゃんに、でれ~っとしながら
のんびりと読んでると、今まで以上にハードで
ディープな問題がどんどん山積していく展開に。
必要以上に過敏な言葉の規制によって
知らずのうちに1つ1つこっそり刈られていく言葉たち。
気がついたら一語一語の問題では済まない
もっと大きな何かが刈られている。
現実に横たわっているたくさんの問題と重なる
テーマを含んでいて、とても重くすごく戦っている今作。
言葉や体裁へのいきすぎた微細で過敏な対応。
政治やテレビの巧妙な情操作。
問題を問題として意識を持つ国民の少なさを
上手く使ってこっそりとルールを成立・改定していく組織。
間違った歴史・思想は正されていくべきだけれど、
間違った方向に過敏になりすぎて、結局は
問題点の立場が逆転しただけにすぎない結果に
なっていることが多い今の歪みや世相に重なり
物語に含まれたメッセージの深さ、やり過ごしては
いけない問題を喚起させつつも、説教臭くならない
キャラ配置の絶妙さに改めて感嘆。
巻末の児玉清さんとの対談も、今まで以上に
深く面白く、児玉さんの思慮深さと知識の深さ、
人柄の素晴らしさに、図書館での稲嶺指令が
完全に重なり涙が止まらなくなった。
児玉さんの著書も何度も何度も読んでみよう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
■ 有川浩
- 感想投稿日 : 2014年1月9日
- 読了日 : 2014年1月9日
- 本棚登録日 : 2014年1月9日
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