アカ、アオ、シロ、クロ、灰田。
カラフルな友人と、色彩をもたない多崎つくる。
乱れなく調和する親密な場所でぴったりと5本指のように
均衡を保ち過ごしていた高校時代。
そして突然やってきた破綻。
葬ったはずの心の奥に沈んだ暗闇を解放して
真実の自分を明らかにするための巡礼の旅。
Le Mal du pays。時間の概念を持たず、肉体の檻を出て、
純粋に理論を飛翔させ、心と心で抱きあう邂逅。
その先に交わる未来はなくても、傷つきやすく傲慢な季節が終わり、
過去を受け入れ、真っ直ぐに進む先は光があると。
許し、許され、愛し、愛され。人生の仄暗い部分こそ蓋をせず
向き合ってこそ、どんなに夜は長くとも朝の光は美しく差し込む。
フィンランドの森に浄化されていく想いが美しかった。
読書状況:読み終わった
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■ 村上春樹
- 感想投稿日 : 2013年7月2日
- 読了日 : 2013年7月2日
- 本棚登録日 : 2013年7月2日
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コメント 2件
vilureefさんのコメント
2013/07/03
山本 あやさんのコメント
2013/07/04