食堂かたつむり

著者 :
  • ポプラ社 (2008年1月17日発売)
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本棚登録 : 7818
感想 : 1551
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優しくて大好きなお話もたくさんあったけど、
もう二度と文字として見ることはできない本かも…。

自分も他の動物の命を食べて生きているので
動物がかわいそうっ!と全面的に批判するキモチではなくて
おいしいおいしいと何も考えることなく食べているのは
とても罪深いことだと思うので、こんなにも残酷なことを繰り返して
人間は生きていることを改めて考えることは大切だけど
やっぱり自分の大切な家族であるエルメスを食べるのは
苦しすぎて嗚咽が止まらなかった。

偽善を振りかざして言うのではなく、やっぱり家族は食べられない。
倫子ちゃんとエルメスに姉妹のような関係を見ていたので
とても悲しくて苦しかったです。

でも、他のお話はふんわりとあったかくて
本ならではのファンタジーと食が交じり合った優しい食事でした。
大好きだけど二度と見れない、ワタシにとっては甘くて苦しい恋みたいな1冊でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ■ 小川糸
感想投稿日 : 2012年7月10日
読了日 : -
本棚登録日 : 2012年7月9日

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コメント 1件

kuroayameさんのコメント
2012/07/10

お母さんのキャラクター&飼われている豚ちゃん、とっても大好きですーっ。
主人公が食堂を通じて出会う人々に対してのおもてなし料理。
読んでいると心がぽかぽか温まり、この本の世界に浸る心地よさを今もまた思い出してしまいました。

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