3歳11ヶ月姉姫が図書館で選んだものの、読む時間がなくて一度返した本を、4歳4ヶ月にして再び選んで借りたもの。
正直、岩波版(というか、レイ夫妻自身ではなく他の人達が作っている"Curious George")のものは、妙に教訓臭くて個人的にはあんまり好きじゃない。
ひとまねこざるがひとのマネして、なんかトラブル起こしてさあ大変、でもなんか雨降って地固まったりもするよ?なところが、この作品の最大の魅力だと思うのだけれども、岩波版のってその「地固まる」部分がすごくクローズアップされすぎて、ジョージがとってもイイ奴になっちゃうから、面白みに欠けるんだよね。
ジョージの魅力って、子供が大人のミニチュア版として完全に分離した概念で捉えられるキリスト教文化圏において、自分の興味と好奇心だけで人間の常識に捕らわれずになんでもやってしまうジョージという「大人でも子供でもない存在」がいること――子供が出来ないとされる大人の分野、ないし大人と子供の垣根をやすやすと飛び越えてしまう存在としてジョージがあって、そこが面白さの源泉だと思うのだけれども、そこに「道徳的に良いこと」というエッセンスを無理矢理ねじこんじゃうと、変に臭みが出ちゃう感じ。
その臭み、4歳という姉姫でもなんだか感じるところがあるらしく、「前に借りた(福音館版『ひとまねこざる』の)方が面白かった」と言っていました。ジョージがやった事がすごく良いこと、みたいになっちゃうのって、やっぱりなんだか変な感じ。
それにしても、テレビアニメでジョージを見てるせいか、2歳0ヶ月ちび姫が「じょーじ、じょーじ」とやたらに食いつきましてん。
君がこの違和感に気付くのはいつの事になるかしら……。
- 感想投稿日 : 2011年8月6日
- 読了日 : 2011年8月4日
- 本棚登録日 : 2011年8月4日
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