ぼくらが惚れた時代小説 (朝日新書 23)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2007年1月1日発売)
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感想 : 11
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時代小説についての対談集。縄田一男、児玉清、山本一力が評論家、俳優、小説家のそれぞれの立場で、時代小説の代表的な作家、作品について語る。時代小説にどんなものかあるのか知りたくて読んでみた。本のジャンルとして時代小説と一言で括ってしまうが、作者の歴史に対する見方や考え方によって色々な手法があり、大きくは、史実を忠実に捉えた歴史小説もの、歴史的な背景を基に著者の想像力によって構築した時代小説の2つに分けられる。人気になった長編は、新聞や雑誌等の連載ものが多く、映画との関連や今だから言える作者のエピソード等が数多く語られて面白かった。このジャンルの小説が流行った背景には、高度経済成長期に勧善懲悪のヒーローを求める時代的な欲求もあったようだ。
時代小説の有名作家の名前は多少知っているつもりだったが、対談の中では聞いたことがない作家の名前が沢山出てきて、正直、何を語っているのか判らない部分もあった。(自分自身のバカの壁)対談の中で、小説の主人公の言葉の引用や行動を取り上げて、ああだろうこうだろうと議論しているが、時代小説ファンは、作者の想像力の産物を読んで、更に想像を膨らませる能力があるんだなと思った。

普段、時代小説を読まない自分でも面白く読めたので、時代小説に興味がある人には、格好の案内書になると思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2014年12月8日
読了日 : 2014年12月8日
本棚登録日 : 2014年12月8日

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