bandit250fさんの感想・レビュー

君死に給うことなかれ 神風特攻龍虎隊

著者 : 古川薫

• 幻冬舎 (2015年7月23日発売)

題名に反して泣ける話では無い。著書の実体験に基づくノンフィクション風小説だ。あとがきにもそう断っているが。93式中練、通称赤トンボ。名前だけは知っていた。小学生中学生の頃、零戦を始めとする日本海軍陸軍のレシプロ機に夢中になり一式戦から五式戦まで形と愛称を覚えたものたが赤トンボについてはサッパリ。それか終戦直前の沖縄周辺で特攻機として使われた。
信じられない話だ。250キロ爆弾を抱え時速120〜130㎞の速度で敵艦に突っ込んだと言う。
改めて戦争の悲惨さと上層部の無為無策を思う。
ともすればお涙頂戴の話になってしまうところを著者は淡々と描く。特攻しきれずに戻ってくる人が多数いて臆病者扱いされたという話も哀しい。
特攻帰りの人や軍隊体験者も次々に鬼籍に入りもう10〜20年もしたら1人もいなくなるのでしょうね。
今のうちに語り継げる話は活字に残して欲しいです。

感想投稿日 : 2015年10月1日

読了日 : 2015年9月30日

本棚登録日 : 2015年9月27日