准教授と依存症の彼 (花丸文庫)

著者 :
  • 白泉社 (2013年8月21日発売)
3.50
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本棚登録 : 101
感想 : 9
4

▼あらすじ
天才詩人と謳われている大学生の舜には秘密がある。それは性行為をしないと食事ができず、詩も書けないというのだ。そんな舜の後見人である篠崎が、ある日お前とはもうしないと言い始め……!?

***

帯のせいで受けにしつこく求められる准教授が最初こそ適当にあしらっていたものの何らかの理由で徐々に本気になっていく話とばかり思っていたけど内容は微妙に違っていました。

長年に渡る育児放棄に監禁、実の母親は勿論、それ以外の男からも日常的に暴力を受け、挙げ句"お兄ちゃん"という見ず知らずの男にセックスをしないとご飯を食べてはいけないという"常識"を徹底的に教え込まれた瞬(受)

物心つく頃からこんな凄まじい生活を送っていた瞬には本当の意味での常識がなく、この世に存在する物の全てに意味がある事を知りません。
生きるために息をするのと同じように、食べるためにセックスをする事が当然だと思っている瞬。
彼の中ではそれが常識として固定されてしまっている為、周りが引いたりおかしいと言ったりする事自体、彼には理解が出来ないんです。

言葉の持つ意味や深さといった事も理解出来ず、読んでいてちょっと白痴みたいだな、思いました。
そんな瞬が、物語が進むに連れてちょっとずつ変わって行くわけですが彼の後見人であり大学の准教授でもある恭平(攻)が最初から瞬を溺愛していてちょっと吃驚しました。
瞬を好きになった理由もまだちょっと甘いような気がしなくもないですが、これはこれで良いのかな、とも思ったり。

それよりも仕事ではスーツ、家では和服という恭平のギャップが堪りません!
和服の裾を開いて瞬に挿れている時の姿なんて見えそうで見えないというイラストにドキドキしてしまいました(笑)
ちょっと仄暗いテイストの作品なので奈良千春先生の独特なタッチのイラストがお話の雰囲気によく合ってると思います。

作品の全体的な評価としてはまだもう一捻り欲しいところですが読みやすい作品だったのとイラストが美麗だったので★4つです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 整理済み(小説)
感想投稿日 : 2013年9月7日
読了日 : 2013年9月7日
本棚登録日 : 2013年9月7日

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