「いらっしゃいませ」と言えない国: 中国で最も成功した外資・イトーヨーカ堂 (新潮文庫 ゆ 11-2)

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  • 新潮社 (2013年3月28日発売)
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中国ダメ論、中国すごい論、両方が入り乱れる中、「実際の中国で行われているビジネスはどうなっているのか」と思いてに取りました。

イトーヨーカドーが中国に初出店の苦闘の物語。

初出店が行われた時、「すべてがない」。

タイトルの通り「いらっしゃいませ」が言えない従業員、ものを置いたら壊れる什器、発注しても納品できないサプライヤー、何を買っていいかわからないバイヤー。POSは登録が大混乱。

赤字を続けたあと黒字転換を果たし、2号店、3号店と出店する中、店長以下すべて中国人という運営を実現。

「イトーヨーカドーにいると成長できる」という働く側の評価が定着し応募の耐えない職場に。

四川大地震の時にも店を開けたイトーヨーカドーが従業員と家族、顧客のための運動会では店を閉める。

ここまで現地に根を張るまで頑張った立ち上げスタッフの情熱、姿勢には胸が熱くなります。

この会社にいれば成長できる、というのは激しい労働と裏表。

これを今の日本でやったらあっという間にブラック企業、と呼ばれるんだろうな…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 世界や日本を知る
感想投稿日 : 2013年4月6日
読了日 : 2013年4月6日
本棚登録日 : 2013年4月6日

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