縮みゆく人間 (ハヤカワ文庫 NV 129)

  • 早川書房 (1977年1月1日発売)
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本棚登録 : 23
感想 : 3
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ある日を境に体が縮み始めてしまったスコット。周りからは好奇の目で見られ、医者に見せたところで縮む速度は変わらない。そして自宅の地下室が居場所になってしまった。そこにいるとは最愛の妻や娘でさえも知らなかった。飢えや喉の渇きに加え、7本足のヤツとも戦わなければならない。全世界となった地下室からスコットは脱出できるのだろうか。もとの世界へと帰ることができるのか。__あらゆるものが時間を追うごとに自分の背丈よりも大きくなっていき、自分の存在が消えてしまうのではないかと不安に苛まれていたら......当然のように、卑屈になったり、おかしくなるはず。人間の内面をうまく捉えている作品だと思う。崩れてしまうような希望でさえも、一縷の望みと行動するさまは人間の本能が突き進めるものなのだろう。表紙に描かれているものを読み終わってから見直すと、スコットの行動に感服させられる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年9月25日
読了日 : 2011年9月25日
本棚登録日 : 2011年9月24日

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