ミステリであり、ハードボイルドであり、社会派、
サスペンス、お仕事小説、パニック小説...と
いろいろな要素が詰まっていて、ジャンル分けが難しい、
七里氏らしい大エンタテインメント作品。
囮捜査を得意とする麻薬取締官という主人公がいい。
主人公の相棒となる山崎も、もの凄く魅力的。
合成麻薬「ヒート」の蔓延と言う事件そのものや、
ヒートによる被害の広がり方も現代的で◎。
が、それより何より「脇役」がいい、と私は思う。
拒否反応を起こさない程度にステロタイプ化された
数々の登場人物が、物語のコントラストを強め、
主人公の行動やキャラを色付けて行く。
だからこそ、かなり荒唐無稽な展開を見せる本作に、
妙なリアリティを生み、魅力的な物にしている。
文庫版の解説にもあるが、多作であり、
しかも全てクオリティの高い作品を生み出す七里氏は、
エンタテインメント作家として希有な存在であろう。
いや本当に「ハズレ無し」「安心して読める」なぁ...(^o^
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ
- 感想投稿日 : 2016年12月27日
- 読了日 : 2016年12月27日
- 本棚登録日 : 2016年12月19日
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