生きている兵隊 (中公文庫 い 13-4)

著者 :
  • 中央公論新社 (1999年7月18日発売)
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感想 : 39
4

兵隊たちの心理を丁寧に記した作品。

昔の作品とあって最初は慣れないが、読んでいくと、なんというか腑に落ちる作品だった。

悲惨な描写がとても多いが、それに涙することはなかった。衝撃として襲ってくるし、心を揺さぶられるのだが。それはこれが、それに至る心の動きを丁寧に、そしてリアルに書かれていたからだと思う。
なんというか、泣かせる作品ではないのだ。
戦場の実情を、兵士の実情を、世に正しく伝えるための作品だと思う。

これは、ドキュメンタリーではないという。けれど時に、ドキュメンタリー以上にリアルな作品というのもあるものだと再確認させられた。

戦争のどうしようのなさ。それを強く感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会問題
感想投稿日 : 2010年10月4日
読了日 : 2010年10月4日
本棚登録日 : 2010年10月4日

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