べそかきアルルカンの“徒然読書日記”»
ジャンルを問わず、興味をもったらなんでも読みます。
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ファーミリーツリーとは、血の繋がりを表す系図のことです。血というのは煩わしいもので、多かれ少なかれ、誰もがその繋がりから解放されたいと思ったことがあるのではないでしょうか?無理に断ち切ったつもりでも、連綿と受け継がれた血は、身体の中を流れ続けているわけで、そこからは逃れようがありません。
サラッと書かれているので、スルッと読んでしまえば、なんでもない幼馴染の成長記、あるいは青春小説のようですが、登場人物それぞれの立場に立ってその内面に思いを巡らせると、この物語の味わいが深まります。
順風満帆な人生なんてありえません。言葉や表情に出すことが少ないから、身近な人にさえ伝わることもないのですが、誰だって何かしら重荷を背負いながら生きているはずです。もだえ苦しみながらも、それでもなお命の営みを続けてきたからこそ、いまのの自分がある。生きるということは辛いことだらけ、悲しいこともいっぱいありますが、けれどやっぱり人生は愛おしい・・・そう思わせてくれるお話でした。
2012年05月26日
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日本文学
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読み終わった
(2012年05月26日)
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80年前に建てられた〝丘の屋敷〟と呼ばれる家は、これまで何人もの人が借りて住んだものの、いずれも短期間で出て行ってしまうという、いわくつきの屋敷でした。そんな建物に興味を持ったのが、怪異な現象の謎を解き明かそうとするモンタギュー博士。博士はこの屋敷を借り受け、調査の手助けになると思われる何人もの人物に招待状を出しますが、その招きに応じたのが、屋敷の持ち主の甥にあたるルーク、透視能力を持つと思われるセオドラ、そして物語のヒロインであるエレーナの3人でした。モンタギュー博士は、先入観に囚われない学術的見地から調査にあたろうとしますが、4人は次々に不可思議な現象に見舞われます。ところが彼らは、怯えながらも平静を装い、その振る舞いには陽気さえ感じられます。
エレーナは青春時代のほとんどを、病弱な母親の介護についやし、30歳を超えていまだ独身の女性です。彼女は母親が亡くなり、〝丘の屋敷〟の招待に応じることで、はじめて開放感をおぼえていました。屋敷で生活するうちに、そんな彼女の内側で何かが変化していきます。その様子が心理描写を通じて表現されています。
ひとがほんとうに怖れるのは、自分の胸の奥底を覗き見て、そこにあるものに気づかされることなのかもしれません。ヒロインの孤独が痛々しく、とても哀しい物語でした。
2012年05月18日
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海外文学
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読み終わった
(2012年05月18日)
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ちょっとワケありな家族と離れ、美容師をしている恋人の部屋に居候している女子大生が主人公です。彼女は少しばかり心のバランスを崩していて、大学も休学中。何をするでもなく、ただただ日々をやり過ごしています。そんな彼女が眠れない夜は、恋人がお話を聴かせてくれます。それは、子供の頃の友人の話であったり、むかし近所に住んでいた人の話であったり、アルバイトをしていた頃の同僚の話であったりです。著者は歌人でもありますから、言葉の使い方がとても巧みです。どれも取り留めのないお話のようですが、なんだか妙に心に引っ掛かります。
ときには、なんだかおかしな人と関わりを持ったりしながら、少しずつ前に歩み始める主人公なのですが、得てしてこの世に命を繋ぎとめるもととなっているのは、取るに足りない日常的なことなのかもしれませんネ。
2012年05月11日
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日本文学
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読み終わった
(2012年05月10日)
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飼い主に見捨てられたペットや、野良犬、野良猫、その他の小動物を保護し、新しい飼い主を見つけてあげる、それが〝犬部〟の活動です。中には怪我をしたり、大病を患った瀕死の犬や猫もいます。北里大学獣医学部の学生たちが運営するサークルではありますが、大学の支援はいっさいありません。犬部の学生たちは、自分の下宿にたくさんの動物たちを同時に住まわせ、自費を投じて世話をしながら、動物たちが幸せな環境で暮らせるよう、一生懸命新しい飼い主を探します。本書は、そんな学生たちの悪戦苦闘振りを綴ったノンフィクションです。
動物愛護というのは、命や社会に関わるいろんな問題を含んでいますから、生半可な気持ちでできるものではありません。ここに登場する学生たちも、ときには大きな矛盾にぶち当たり、自問自答し、葛藤を繰り返しながら活動を続けています。けっして奇麗事ばかりではないはずですが、それでも本書を読むと、やっぱり感動せずにはいられません。日本の学生も、まだまだ捨てたものではありませんネ。
ペットの最期を看取ってあげるのは、飼い主に課せられた最も重要な責任です。ペットたちは、それ以上のものをわたしたちに与えてくれるのですから。
2012年05月05日
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ノンフィクション
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読み終わった
(2012年05月05日)
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前作の〝日常を袋詰めにして海に捨てた罪〟同様、三行詩が230篇収録されています。
またしても、三行で表現することの難しさを、ひしひしと感じました。厳選された言葉を、さらに削り落として三行にまとめ、その奥底に潜む情感まで表さなければならないのですから。
ここに描かれている男女は、けして幸福だとはいえません。けれど、だからといって不幸かといえば、そうともいいきれないのです。ふたりで肌を寄せあっていても、そこから立ち昇る孤独感のようなものも伝わってきます。かと思えば、寂しさに対峙するニヒリズムのようなものも感じられます。淫靡な翳に秘められた美しさ、美しさの中に垣間見える危うさ。このデカダンスな雰囲気がとても良いです。そもそも人生なんて、曖昧で割り切れないものですものネ。
2012年04月27日
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詩歌
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読み終わった
(2012年04月26日)
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日常の中のちょっとした綻びやズレ、歪みを描いた短編集です。
怪談とか、怪異譚のようにおどろおどろしいものではなく、日常の中に非日常がさりげなく紛れ込んでくる感じで、登場人物たちも、異常な事態をなんとなく受け入れてしまっています。が、だからこそ読む側としては、常にいや~な不安感を抱かずにはいられなくなってしまいます。従来の京極作品とは、趣の異なる味わいを楽しめる1冊でした。
2012年04月24日
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日本文学
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読み終わった
(2012年04月24日)
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あとがきにある通り、一言でまとめれば〝平凡な女性〟の〝非凡な人生〟を綴った物語です。
主人公はけっして容貌が良いとは言いがたい、子供の頃から本ばかり読んでいる、ひかえめで臆病なユダヤ人女性ソーネチカ。旧ソ連のスターリン時代を、貧しくも幸せに生きてきました。
そんな彼女も、縁あって家庭を持つことになります。夫は精神の自由を守ろうとする芸術家です。やがて娘が生まれ、その後も紆余曲折あるのですが、どんなときも自らの幸福を実感せずにはいられないソーネチカでした。たとえ、夫や娘に裏切られようと、周りの人にどのように思われようとです。
もちろん、彼女が心優しい女性であったということもあるのでしょうが、そこには、せっかく築き上げた幸せな家庭を壊したくないという思いと、これ以上自らを傷つけたくないという心理が、無意識にはたらいていたのかもしれません。そう考えるとこの美しい小説が、とても悲しく、怖いものにも思えてきます。
ひとりの女性の人生を淡々と語る本作で、ドフトエススキイやトルストイとは異なる、新しいロシア文学を楽しむことができましたぁ。
2012年04月18日
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海外文学
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読み終わった
(2012年04月18日)
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森と湖の国フィンランドで〝もっとも美しい本〟賞に選ばれた本です。
2人の女性写真家が、15年の歳月をかけて、フィンランド各地の森を訪ねて、森と人との関係を幻想的な写真におさめました。古くから語り継がれてきた神話や詩も、人と自然の関わりを美しく物語っています。
自然を敬い畏れる心が、文明や経済の名のもとに失われていくのは、遠い祖先から受け継がれてきたはずの文化や精神を否定するようで、とても悲しいことですネ。
2012年04月15日
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写真・画文集
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読み終わった
(2012年04月15日)
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主人公の浩子さんは、常に時刻が確認できないと、なんだか不安になってしまいます。そんな彼女が時計のない世界で出合ってしまった、時計の顔を持つ少女とサカナ男。3人は、鎌倉にあるという時計少女の家“時計屋敷”を訪ねることになるのですが、ヘンテコリンな出来事が次々起って・・・。
シンガーソングライターの谷山浩子さんが、このような本を書かれているなんて、今日までぜんぜん知りませんでした。午後のティータイムに、あるいは週末の眠れぬ夜にぴったりの物語かも。
2012年04月14日
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日本文学
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読み終わった
(2012年04月14日)
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トーベ・ヤンソンといえば、何をおいても〝ムーミン〟シリーズですが、この作品にも共通した雰囲気がありました。北国の憂鬱、冬の閉塞感、寂寥感、そして登場人物につきまとう孤独感などです。孤独とは、けして卑下したり、寂しがったりするものではありません。それは、誰もが背負わされたさだめなのですから。それでも世の中には、孤独をうまく受け入れられる人と、そうでない人がいます。
物語の舞台は北欧の小さな海辺の村。主人公は25歳の女性カトリ。カトリは誠実であるがゆえに、他人と親しく交わることをせず、飼い犬にも名前すらつけません。村人から信頼されていながらも、うとまれる存在です。彼女の夢は生活に困らない程度に収入を得て、15歳の弟マッツとお金の心配をせずに生きること。そんなカトリの目にとまったのが、親の遺産を受け継ぎ、大きな屋敷にひとりで住んでいる老画家のアンナでした。アンナは他人を疑う必要に迫られたことのない、世間知らずの無垢な女性です。アンナと共に暮らし始めた姉弟でしたが・・・。
誠実であることの難しさ、優しさの本質とは何かということを、この物語は厳しく問いかけてきます。そして、人にはそれぞれ、身につけた生き方があるということを、カトリとマッツ、そしてアンナと名もない犬を通じてわからせてくれます。
2012年04月10日
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海外文学
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読み終わった
(2012年04月10日)
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233編の三行詩が綴られています。
たった3行の文字に秘められた恍惚、朽ちてゆく純情、背徳と狂気、そして甘美な死の匂い。しばしの間、退廃的で耽美な世界にどっぷり浸ることができました。
わずか3行で表現することの難しさと、3行だからこそ語れるものもあるということを、あらためて教えていただきました。
2012年04月05日
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詩歌
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読み終わった
(2012年04月05日)
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桑原武夫賞を受賞した詩集です。
〝記憶とは過去ものではなく、むしろ過ぎ去らなかったもののこと〟と、あとがきにありますが、とても納得させられる言葉です。
普段は忘却の彼方にある、どうでもよい、取り留めのないことが、ふと思い出されたりします。大凡のことはみんな忘れてしまうのに、なんでもない些細なことが胸の奥底に眠っていたりするのは、いったいどういうことなんでしょう?もしかすると人は、そんな些細なことの積み重ねで形成されているのかもしれませんネ。
2012年04月03日
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詩歌
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読み終わった
(2012年04月03日)
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マリア・テレジアの命によって、1769年にケンペレンが作った、チェスを指す機械仕掛けの人形〝ターク〟。この機械人形が一般公開されるや否や、ヨーロッパ中が騒然となりました。〝ターク〟の腕前はなかなかのもので、一流チェスプレーヤーと手合わせしてもほとんど負けることがなかったからです。当然コンピューターなどない時代のことですから、機械に頭脳を持たせることができるのかということが話題の中心で、その仕掛けについて多くの憶測がなされました。科学者が間近で見ても、その仕掛けが解明できなかったことや、〝ターク〟がナポレオンやエドガー・アラン・ポーをはじめとする、数多くの有名人とも関わりをもっていることなどから、話題が話題を呼び、各国の新聞紙上を賑わせ、関連書籍がたくさん出版されたばかりでなく、芝居や小説、後に映画になったりもしています。
作者ケンペレンの死後、いろんな人の手に移り、解体と復活を繰り返すたびに欧米諸国で話題をさらうことになる〝ターク〟は、1854年アメリカのシアターで火災のため消失してしまうのですが、その後もことあるごとに、このチェス指し人形は人々の関心を惹くようです。〝ターク〟が伝説と化したのは、彼がたどった運命があまりにも劇的で、今日のIT社会に通ずるものがあったからなんでしょうネ。
本書では、仕掛けの謎も解き明かされていますが、それでもなお〝ターク〟の魅力は衰えることがありません。とても面白い本でしたぁ。
2012年03月31日
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ノンフィクション
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読み終わった
(2012年03月31日)
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物語は古びた3枚の銅版画から始まります。
冬の間ながい眠りにつく冬眠者と、その世話をする数多くの召使や庭師たち、そして冬のある日、人形の傍らでひとり目覚めてしまった少女に語りかけるゴーストなどなど、尖塔のある大きな館で繰り広げられる、めくるめく物語。
あるいはまた、従姉妹たちの首に掛けられたメダイ、お気に入りのラバー人形を抱きかかえるようにして冷たくなっていた犬のトビ。アッシジの聖フランチェスコと人形職人などが、時も場所も判然としないまま、曖昧な繋がりを見せ始めます。
耽美で退廃的、甘くて儚げ、滅びゆくものの醸しだす官能と寂しさ。この独特の世界観を持つ連作を読みすすむうちに、何度も迷子になってしまいました。まるで、微熱にうなされながら見ている夢のような物語でした。
2012年03月22日
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日本文学
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読み終わった
(2012年03月22日)
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なんともアナログなタイトルに惹かれて読んでみました。
中小規模の小売店のオーナー、販促担当向けに書かれた本です。大手チェーン店、競合店といかに差別化を図り、売上を伸ばすか。チラシ1枚の中にオーナーの考えを盛り込み、それを従業員はもとより、一般生活者にもしっかり伝えるにはどうすればよいか。実戦で培われた著者の言葉だから、とても説得力がありました。
自分は小売店に勤める身ではありません。ましてや経営者でもありませんが、エリアマーケティングを考える上で、とても参考になりました。あきらず、柔軟に頭を使えば、可能性は広がるってことですネ。
2012年03月13日
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ビジネス
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読み終わった
(2012年03月13日)
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