源氏物語 巻2 (新潮文庫 え 2-9)

  • 新潮社 (1980年2月1日発売)
3.65
  • (3)
  • (5)
  • (9)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 58
感想 : 3
4

角田訳の続巻を待てないので慎重に選んで円地訳で続きを読む(よって「乙女」から「胡蝶」までの三帖のみ)。角田さんバージョンでは取り払われていた、敬語で誰かを表す表現が使われていて、ときどき戸惑うけれどそれほど難しくない(巻末資料も豊富)。あと、敬語を駆使されるとやっぱり王朝絵巻感がアップするので楽しい。角田訳より少しペースを落として頭の中で音読すると、円地先生の日本語のよさが沁み込んでくる。

「玉鬘」で女君たちに光が着物を選ぶシーンが好き。衣装の柄からどんなひとかを想像するの、当時の読者も楽しかったろうな、紫式部はターゲット層を喜ばせるの上手だな、などと気持ちよく読み、「あれ悲しいことがしばらく起きてないぞ」と思ったとたんに「胡蝶」で光の下衆いところが炸裂。通勤中に逆上してしまいどうしようかと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本 - 小説/物語
感想投稿日 : 2017年11月13日
読了日 : 2017年11月13日
本棚登録日 : 2017年11月13日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする