角田訳の続巻を待てないので慎重に選んで円地訳で続きを読む(よって「乙女」から「胡蝶」までの三帖のみ)。角田さんバージョンでは取り払われていた、敬語で誰かを表す表現が使われていて、ときどき戸惑うけれどそれほど難しくない(巻末資料も豊富)。あと、敬語を駆使されるとやっぱり王朝絵巻感がアップするので楽しい。角田訳より少しペースを落として頭の中で音読すると、円地先生の日本語のよさが沁み込んでくる。
「玉鬘」で女君たちに光が着物を選ぶシーンが好き。衣装の柄からどんなひとかを想像するの、当時の読者も楽しかったろうな、紫式部はターゲット層を喜ばせるの上手だな、などと気持ちよく読み、「あれ悲しいことがしばらく起きてないぞ」と思ったとたんに「胡蝶」で光の下衆いところが炸裂。通勤中に逆上してしまいどうしようかと思った。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本 - 小説/物語
- 感想投稿日 : 2017年11月13日
- 読了日 : 2017年11月13日
- 本棚登録日 : 2017年11月13日
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