宇治十帖は田辺聖子訳で読むつもりなので「雲隠」まで。紫の上に「おつかれさま」と言いたい気持ち。
彼女が死んだとき、光が「紫の上の言動にがっかりすることは一度もなかった」というような嘆き方をしていて、紫の上がどれだけ自分を殺して生きていたのかと思うと気の毒でたまらない。わたしは最後の最後まで、光を分かりたいという気持ちになれなかった。
紫の上の死後あれだけ腑抜けになっていたのだから、光が彼女を愛していなかったわけではないのだろうけど。求める一方で、紫の上(ほかの女君たちにもだけど)を幸せにしたいという気持ちが全然見えなかった。相手の望みを無視するのなら愛情ではないのではと思いつつも、相手の望みなんて言われなければ分からないし、言われたって分かりたくなければ分かれないのかもしれないし、ぐるぐるしているうちに「出家するか!」という気持ちになった。もののあはれってそういうことですかね。
キリがいいところまで読んだわけだけど、夕霧と雲居の雁がどうなったかって宇治十帖で展開あるのかな? あの流れは無残… 真面目男が迷うとああなるあるあるだけど…
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本 - 小説/物語
- 感想投稿日 : 2017年11月26日
- 読了日 : 2017年11月23日
- 本棚登録日 : 2017年11月26日
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